ソーシャルレンディングにかかる税金とは?節税の方法はある?

share:

少額で手軽に始められる点から近年注目を集めているソーシャルレンディングですが、利益が出たときの税金についてもしっかりと理解しておきたいところです。ソーシャルレンディングで利益を狙うのであれば、そもそも利益に対してどのくらいの税金がかかるのか気になりますよね。また、節税方法について知りたい方も多いのではないでしょうか。

今回は、ソーシャルレンディングの税金に関する基本的な知識に加え、効果的な節税方法、そしてソーシャルレンディングで投資をする上で知っておきたい、税金に関する注意点について解説していきます。

ソーシャルレンディングの税金について知っておくべき3つのこと

ソーシャルレンディングの税金について知っておくべき3つのこと
まずは、ソーシャルレンディングの税金について基本的なポイントをおさえておきましょう。ここでは、知っておくべき3つのポイントをご紹介します。

1.ソーシャルレンディングの利益にかかる源泉税について

一般的に、運用によって得られた利益に対しては一定の税金がかかります。ソーシャルレンディングの場合、配当金に対する所得税率は20.42%です。とはいえ、この所得税分が差し引かれた額が配当金として入金されるため、配当金を受け取る時点で源泉徴収にて納税していることになります。

ただし、住民税に関しては源泉徴収されません。確定申告をする場合は申告内容が税務署から住民税を納税する市町村に送られるため、改めて自分で申告する必要はない一方で、確定申告をしない場合は別途自分で住民税の申告をする必要があります。申告方法は納税先の市町村によって異なるため、確定申告をしない場合は必ず確認をしましょう。

2.ソーシャルレンディングの所得の分類について

所得は以下の10種類のいずれかに分類されます。ソーシャルレンディングで得た配当金による所得は、このうちの「雑所得」として扱われます。

利子所得公社債や預貯金の利子、貸付信託や公社債投信の収益の分配などから生じる所得
配当所得株式の配当、証券投資信託の収益の分配、出資の剰余金の分配などから生じる所得
不動産所得不動産、土地の上に存する権利、船舶、航空機の貸付けなどから生じる所得
事業所得商業・工業・農業・漁業・自由業など、事業から生じる所得
給与所得給料・賞与などの所得
退職所得退職によって受ける所得
山林所得5年を超えて所有していた山林を伐採して売ったり、又は立木のまま売った所得
譲渡所得事業用の固定資産や家庭用の資産などを売った所得
一時所得クイズの賞金や満期保険金などの所得
雑所得年金や恩給などの公的年金等、非営業用貸金の利子、原稿料や印税、講演料など、他の9種類の所得のどれにも属さない所得

(参考:国税庁 所得の区分のあらまし

ちなみに、ソーシャルレンディングでの運用益のほか、FX(外国為替証拠金取引)や仮想通貨(暗号資産)での運用益なども、同じように雑所得に分類されます。

雑所得が発生した場合、「年末調整を受けた給与所得や退職所得以外の所得が20万円以下」などといった一定の条件を満たせば確定申告が不要となりますが、原則として確定申告が必要と認識しておきましょう。

3.ソーシャルレンディングの課税方式について

ソーシャルレンディングによって生じた所得、つまり雑所得は総合課税方式にて課税されます。総合課税方式とは税金の課税方法の一つであり、総合課税方式のほかに分離課税方式があります。総合課税方式の場合、総合課税の対象となる所得すべてを合算して所得税額を計算します。総合課税となる所得は次の8つです。

  • 配当所得
  • 利子所得
  • 給与所得
  • 事業所得
  • 配当所得
  • 不動産所得
  • 譲渡所得
  • 一時所得

これらの所得を合算して課税所得を算出し、所得に応じて5〜40%の7段階の税率が決定します。仮に、総合課税の結果20%を超える所得税率となった場合、源泉徴収では納税額が不足するため、確定申告によって追加で税金を納めなければなりません。一方、所得税率が20%未満の場合は、確定申告によって税金の還付を受けられます。

ソーシャルレンディングの税金を減らす(節税する)4つの方法

ソーシャルレンディングの税金を減らす方法
資産運用の手段としてソーシャルレンディングを始めるのであれば、認められている範囲で可能な限り税負担を抑えたいと考える方も多いでしょう。そこで、多くの利益を手元に残して賢く資産を増やすための節税方法を4つご紹介します。

1.必要経費を計上する

課税所得が高いほど所得税率は上がります。そのため、所得税を軽減できる方法の一つとして、ソーシャルレンディングで得られた配当金に対して税法上認められる範囲で経費として計上することをおすすめします。具体的には、口座の振込手数料や入出金にかかる手数料、インターネットの接続料、納税にあたり助言を受けた場合の税理士費用などが挙げられます。経費として計上するため、領収書やレシートを紛失しないように注意しましょう。

2.法人化する

法人を設立することで節税できる場合があります。なぜなら、年間の所得額によっては所得税率よりも法人税率の方が低くなることがあるからです。例えば、資本金が1億円以下の法人の場合、年間利益が800万円超になると法人税率は一律で23.20%です。一方で、個人の年間所得が900万を超えると所得税率は33%以上になります。つまり、年間所得が900万円を超えると法人化したほうが節税になるということです。該当する場合は法人化を検討してみるとよいでしょう。

3.夫婦間では所得が低いほうの名義で運用する

夫婦でソーシャルレンディングに投資するのであれば、所得の低いほうの名義で運用することで税金を軽減できます。ソーシャルレンディングの所得は雑所得に分類され、所得が少ないほうが税率も低くなるため、結果的に税金を抑えられるというわけです。

4.確定申告により還付を受ける

年間の所得が330万円未満の場合は、確定申告をすることで税金の還付を受けられる可能性があります。ソーシャルレンディングでは、配当金を受け取る際に配当金の20.42%が源泉税として差し引かれて口座に振り込まれます。年間所得が330万円未満の場合の所得税率は10%以下なので、源泉徴収で税金を多く納めていることになります。そのため、手間をかけてでも確定申告したほうが税金メリットはあるといえます。

ソーシャルレンディングの税金の2つの注意点

最後に、ソーシャルレンディングをするうえで理解しておきたい税務上の注意点について解説していきます。

1.損益通算ができない

雑所得に分類されるソーシャルレンディングの利益は、他の所得と損益通算できない点に注意しましょう。損益通算とは、課税額を計算する際に一定期間内で生じた利益と損失を相殺できる制度です。損益通算のメリットは、損失が生じたときに納税の負担を軽減できる点です。ソーシャルレンディングでの利益は同じ雑所得であれば損益通算可能ですが、給与所得や事業所得、不動産所得などとは相殺できません。

例えば、500万円の給与所得がありソーシャルレンディングで100万円の損失が出たとします。給与所得と雑所得の損益通算が可能であれば、相殺して合計所得400万円に対しての課税となります。しかし、ソーシャルレンディングの利益あるいは損失は給与所得とは損益通算できないため、給与所得の500万円は丸々課税対象となってしまいます。ソーシャルレンディングで大きな損失が生じたとしても、税金面で配慮を受けられない点を理解しておきましょう。

2.繰越控除ができない

ソーシャルレンディングにおける損失は、繰り越しが認められていません。つまり、繰越控除ができません。繰越控除とは、年間に被った損失が所得を上回った場合に、相殺しきれなかった損失を繰越して翌年以降に生じた利益から控除できる制度です。前年の損失を翌年以降の利益と相殺できるため効果的な節税方法であり、上場株式投資による損失などは3年間の繰越控除が受けられます。しかしながら、ソーシャルレンディングでの損失は年をまたいで控除ができないので、その点は注意が必要です。

節税も視野に、賢くソーシャルレンディングを運用しよう

ソーシャルレンディングを賢く運用
ソーシャルレンディングにかかる税金と節税の方法について解説しました。新しい不動産投資の手段として注目を集めるソーシャルレンディングですが、節税の知識を持っておくことで、税金を抑えながらより堅実に運用していくことも可能になります。

注意点も理解した上で、賢くソーシャルレンディングの運用を行いましょう。

share: