
前回まで、不動産クラウドファンディングにおける利回りの種類や元本割れリスクについて解説してきました。案件選びの基準は、単に利回りの良さだけではありません。利回りの裏側にあるリスク回避も考えておきましょう。
今回は、実際に不動産クラウドファンディングの利回りを算出する方法や利回りの相場、適正数値などを解説します。
不動産クラウドファンディングの利回りは?第1回「3つの利回り」
不動産クラウドファンディングの利回りは?第2回「元本割れリスク」
目次(クリックで項目へジャンプ)
利回りの計算方法
不動産クラウドファンディングの利回りは、想定利回りや表面利回り、実質利回りなどにより計算方法が違います。利回りの計算方法を理解したうえで案件情報を見ていきましょう。
想定利回りの計算方法
想定利回りは、もっとも理想的な予定利回りです。賃貸物件が満室になったことを想定して計算します。
年間の家賃収入(満室時)÷物件購入価格×100=想定利回り(%)
想定利回りは、満室時の理想的な利率となる点に注意が必要です。
表面利回りの計算方法
表面利回りの計算方法は、実際の物件購入に掛かった経費を含めない計算方法です。
年間の家賃収入÷物件購入価格(経費を含めず)×100=表面利回り(%)
実質利回りの計算方法
実質利回りは、表面利回りにない経費を含めて計算方法します。
(年間の家賃収入-年間諸費用)÷(物件購入価格+購入時諸経費)=実質利回り(%)
利回り相場
不動産クラウドファンディングの利回り相場は、区分マンションや一棟アパート、一棟マンションなどで次のような利回りになっています。
月次表面利回り(2022年1月) | |
区分マンション | 7.52% |
一棟アパート | 8.62% |
一棟マンション | 7.85% |
データ参照元URL:https://www.kenbiya.com/img/press/pre2022-02-01.pdf
上記のデータは、表面利回りによるものです。そのため、必要経費が含まれていない点を理解しておきましょう。
利回りの適正数値
不動産投資の適正な利回りは、一概に断定できません。その理由は、不動産の購入手段や物件の種類などで適正数値が大きく変わるからです。融資を活用した不動産投資の場合は、実質利回りとローン金利、返済期間なども考慮する必要があります。
不動産購入の経費などを事業者が一括して取り扱う案件ならば、不動産クラウドファンディングのファンドの形式がおすすめです。
利回りと元本割れリスク回避のバランスで判断しよう
本記事は、3回にわたり不動産クラウドファンディングの利回りについて解説してきました。
表面利回りや実質利回りの違い、元本割れリスクの回避など参考になったでしょうか。不動産投資型ファンドの運用は、1万円から始められます。そのような手軽さを活かして、実質利回りと元本割れリスク回避のバランスで判断しましょう。