「リートはおすすめしない」は本当?リスクと対策を解説

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最終更新日 2022.11.29

リート(REIT/不動産投資信託)に興味があるけど「おすすめしない」という書き込みをよく見かけて不安という方は多いはずです。なぜリートが危ないと言われるのか、他の投資方法と比べてどうなのか等、リスクと対策を解説します。

リート(REIT/不動産投資信託)とは?

リート(不動産投資信託)とは?
リートとは、小口の金融商品化した不動産に投資して配当を得るという投資方法です。例えば収益用物件を自前で購入する場合、マンション一棟なら億単位で資金が必要かもしれません。しかし、リートであれば最低一口10万円程度から購入が可能なので、少額で不動産投資ができるというわけです。実際に不動産を運用するのは不動産投資法人で、投資家は自分の投資額によって不動産投資法人から配当を受け取ります。

このように少額から始められて手離れよく不動産投資に挑戦できるのがリートの魅力です。

なぜ「リートはおすすめしない」と言われる?6つのリスクとは

しかし、「リートはおすすめしない」との声が多いのも事実です。ここからはどのようなリスクがよく言われるのか解説します。

1.元本割れのリスク

リートは元本割れリスクがある金融商品です。さまざまな要因で購入した不動産の価値が下がると、リートの価値も下がり元本割れをする可能性はあります。

リートの場合は運用は不動産投資法人に任せているため、自分でコントロールができないのに納得いかない方もいるかもしれません。また、リートでは不動産の現物は手に入らないため、配当がなく元本割れした場合は単に手元の資金が減っただけで終わってしまうことになります。

2.運営元の倒産・上場廃止リスク

運営元の不動産投資法人が倒産すれば預けた資金は帰ってこない可能性が高いでしょう。また、何らかの理由で銘柄が上場廃止をされた場合、一定の猶予期間を経てその銘柄は取引ができなくなるため価値が暴落します。

2022年9月現在で、日本のリート(J-REIT)での倒産は一件のみで基本的には倒産のリスクは低いといえます。しかし一方で、敵対的TOBにより不動産投資法人が上場廃止になったケースは数多く発生しており、その点は注意が必要です。

3.自己資金で行うしかない

不動産の現物を購入して不動産投資を行う場合、金融機関から融資を受けることで自己資金が少なくても不動産を保有できます。これにより自己資金では無理な規模の不動産投資を行うことができ、利益を得られるというわけです。

一方、リートや株式のような金融商品は、それへの投資を目的に金融機関から大規模な融資を受けることはできません。つまり自己資金のみで行う必要があり、万が一元本割れのような損害が出た場合は、自己資金を失うことになります。現物の不動産取引のように、所有物件を売却することもできません。

4.節税にならない

不動産を現物購入する場合、税制上の優遇措置が受けられます。そのため節税対策として不動産投資を行うケースがよく見られますが、リートの場合は税制上の優遇措置が受けられません。株式やFXなどと同様に20.315%の税金が課されます。節税には当然なりませんし、ただでさえ薄い利益を2割削られるとなると投資効率としてどうなのかという疑念が生じます。

5.金利によって配当が左右される

投資家は自己資金でリートを行うことになりますが、実際に不動産を運用している不動産投資法人は金融機関から融資を受けて物件を購入し物件から上がった収益から返済を行なっています。

つまり、金融機関の金利によっては収益が圧迫されることになります。現在の日本は超低金利なので、逆にいうとこれ以上下がる可能性は少なく、現状維持もしくは上がる可能性があるということ。大幅に金利が上がると投資家が受け取る配当も大幅に下がるのはリスクと言えるでしょう。

6.災害リスク

日本は地震や津波などの災害リスクが多い国です。災害によって建物が破損したり倒壊したりすれば、リートの配当にも悪影響が出ます。保険がかけてあるケースが多いとはいえ、災害後の入居状況は確実に悪化するため投資家も災害によるダメージは受けます。

 
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リートのリスク対策・考え方

リートのリスクとどう向き合う?
では、上述のようなリスクは避けることは可能なのか、またそもそもリスクとして捉えるのは正しいのか。それぞれのリスクについて考えていきます。

1.元本割れリスクがある→金融商品ならば当然

元本が保証されるものは投資とは言えません。リスクを冒してリターンを得るのが投資商品のそもそもの性質であるため、「絶対に元本割れリスクを冒したくない」という方は、そもそも投資をすべきではありません。

しかしながら、元本割れリスクがあるとはいえ金融商品の中でもリートはリスクによるダメージが比較的少ない投資商品といえます。理由は小口で購入できる単価が安いこと、また株などの金融商品と比べて大きな利益を出しにくいことです。ひと言で言うと、ローリスク・ローリターンな投資商品と言えるでしょう。

2.運営元の倒産・上場廃止リスクがある→株式でも同じ

企業が運営している以上倒産や上場廃止リスクは必ずあります。これらの影響を受けるという点では株式と同様です。また、投資対象でなくとも、当然ながら私たちが日々働いている会社もこうしたリスクを抱えています。特段リートに限ったリスクではありません。

3.自己資金で行うしかない→少額で始められるので融資が必要ない

リートのための借り入れというのは難しいですが、そもそも小額の自己資金で始められるのがリートの魅力です。融資を必要とする高額な投資をしたいのであれば、現物の不動産投資を検討してみてもよいかもしれません。

4.節税にならない→そもそも節税を目的としていない

リートは節税よりも、資産を銀行に預けているより多くの配当を得られる点が魅力です。確かに金融商品としてのリスクはありますが、投資の中でも比較的リスクが低いことがメリットであるため、堅実に少しづつ利益を得ていきたい方に向いています。節税をしたいのであれば、別の方法を検討したほうがよいでしょう。

5.金利によって利益が左右される→手離れがいい分仕方ない面も

リートは自己資金では購入が難しい不動産物件を投資運用会社が代わりに購入し運用することによって利益を生み出しています。投資運用会社が受けている融資の金利が上がると投資家としては割りを食う印象ですが、そもそも自己資金では購入できない上に運用も全部手離れよく任せられることを考えれば仕方がない面もあるでしょう。

6.災害リスク→不動産に投資するなら避けられない

災害リスクはリートに限らず投資や日常生活にもダメージを及ぼします。間接的にでも不動産に投資することを前提とするのであれば(そして日本の不動産に投資するのであればなおさら)、織り込み済みと考えるべきでしょう。

リート(REIT/不動産投資信託)のリスクを正しく理解しよう

リート(REIT/不動産投資信託)を「おすすめしない」と言われる理由について解説しました。上記で挙げた内容をあらためて眺めると、リートのリスクとしてよく言われるものは不動産投資というよりは金融商品でよく注意喚起されるものと似ています。

むしろ、他の金融商品よりも小口であるがゆえにリスクが少ない点は堅実と考えることもできるでしょう。不安を煽る言葉に踊らされず、正しい知識を得た上で適切な投資を行いましょう。
 
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