
最終更新日 2022.04.25
「不特法で許可された事業者の要件は?」
「不特法の投資対象はどんな契約内容になるのだろう?」
いざ不動産ファンドで資産運用しようとしたら、資産を委ねる事業者や不特法で保護される契約内容について知りたくなるのは当然のことです。今回は、不動産特定共同事業法(以下不特法)で許認可を受けている事業者の4つの要件について解説します。
また、事業者が扱う不特法で規制されている投資対象の契約についても紹介しましょう。
目次(クリックで項目へジャンプ)
事業者が不動産特定共同事業として認められる4つの要件
不特法で定められている不動産特定共同事業者は、資本金以外に4つの要件を満たしている必要があります。
要件1.宅地建物取引業者免許を取得している
不特法は、宅建業の免許(宅地建物取引業者免許)取得者がいなければ事業者として許可を受けられません。そのため、事業者には宅建士がいることが判断できます。
要件2.適切な人員構成と基礎資産が準備できている
不特法事業者には、適切な人員構成や基礎資産の準備が必要な要件となります。基礎資産については、次のように定められています。
- 第1号事業者:資本金1億円
- 第2号事業者:資本金1,000万円
- 第3号事業者:資本金5,000万円
- 第4号事業者:資本金1,000万円
要件3.不動産特定共同事業契約約款が作られている
不特法では、事業者が不動産特定共同事業契約の約款を作成していることが要件となります。ただし、営業相手が一般投資家の場合に限られた要件です。
要件4.事業所に業務管理者が配置されている
不特法では、事業所に業務管理者を配置することも要件として満たす必要があります。業務管理者の条件は次のとおりです。
- 不動産特定共同事業歴3年以上
- 実務講習修了者
- 登録証明事業の保有(ARESマスター・ビル経営管理士・不動産コンサルティングマスター)
不特法事業者は、事業経験や資格がなければ許可を受けられない点が、投資家にとって安心材料となるでしょう。
不特法の投資対象とは?投資家との契約内容
不特法の投資対象は、投資家との契約において2つの内容が定められています。
1.業務の執行の委任
不特法の投資対象は、投資家との契約内容が業務の執行を委任する契約と定められています。投資対象の適用範囲では、「委任する業務執行者は、一人または数人であること」が条件です。業務執行者が一人の場合は、事業経験や資格を保有しているスペシャリストでなければ委任できなくなります。
2.不動産取引から生じる収益・利益の分配
不特法の投資対象では、不動産取引から生じる収益や利益を分配する契約が適用範囲となります。いわゆる一般的な不動産投資の利益分配のことです。不動産取引では、広い範囲で契約内容に不特法が適用されます。
不特法の投資対象になる事業者と契約内容を把握しておこう
今回は、不特法の投資対象として適用される契約内容と事業者の要件を解説してきました。投資家にとっては、事業者の経験や知見が豊富であることに越したことがありません。大切な資産を運用するには、実績のある事業者に委任できる不特法の存在が投資家の追い風となるでしょう。