
最終更新日 2022.05.01
「不動産特定共同事業(不特法事業)に委任する投資とREITって何が違うの?」
「そもそも、不特法事業の投資にはどんな特徴があるの?」
不動産特定共同事業への投資は、他の投資スタイルと比べると特徴が見えてきます。今回は、不特法の投資スタイルとREITの違いを比較していきましょう。
目次(クリックで項目へジャンプ)
不特法事業の投資とは?
不動産特定共同事業法(以下不特法)は、不動産特定共同事業への出資者の手間や負担を軽くするために生まれた法律。そして「不動産特定共同事業」は、複数の投資家から集めたお金で不動産を取得して賃貸・運用を行い、得た利益を投資家へ分配する事業のことを言います。
この不特法により、従来の不動産投資で障壁になりがちだった銀行融資や賃貸管理の必要がなくなり、出資者の手間や負担を軽くすることができるようになりました。不特法事業での投資は、事業者が募集する不動産小口化商品に出資するだけの取り組みやすい投資方法と言えるのです。
不特法の投資とREITの違い
不特法の投資とREITは、よく比較される投資手法で、どちらも投資資金を一般の投資家から募集する仕組みです。では、違いがどこにあるのでしょうか?不特法の投資スタイルとREITの違いについて説明します。
REIT(J-REIT)とは
「REIT(Real Estate Investment Trust/リート)」とは、日本で「不動産投資信託」と呼ばれる米国発の投資方法です。REITは、証券会社などが投資家から調達した資金で不動産に投資する手法のことを指し、不動産投資で発生する売買益や賃貸収入を、配当金として投資家に分配する点が特徴です。
不特法の投資との違い
よく比較される不特法の投資とREIT(J‐REIT)の違いは、下表のとおりです。
不特法による投資 | REIT(J‐REIT) | |
証券取引所 | 非上場 | 上場 |
投資スタイル | 所有によるリターン狙い(インカムゲイン) | 証券市場で売買による差益(キャピタルゲイン) |
まず、REITは証券取引市場に上場していて、一般の人が自由に売買できるのが特徴です。一方の不特法事業は上場していないためクローズドな投資スキームと言えます。
また、REITは公開されているためにつねに価格の変動がおきます。つまり、市場で売買することによる差益をキャピタルゲインとして得ることが大きな目的になります。逆に不特法による投資では、基本的に中長期の運用によるインカムゲインを収益として得ることを目的とします。不動産を所有している間に収益が発生する仕組みです。
インカムゲインとキャピタルゲインを基準にして投資スタイルを選ぼう
今回は、不特法事業への投資とREITの違いを比較しました。不特法事業への投資は、物件の管理や銀行融資などの負担のないインカムゲインを得るための不動産の投資手法です。反対にREITの場合は売買の差益によるキャピタルゲインを得るための投資スタイルとして、保有より売買に着目した手法となります。
双方の特徴を理解して自分に合った投資スタイルを選びましょう!