海外のデジタル通貨事情はどうなっている?新興国が熱い!

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最終更新日 2022.08.31

日本では金融庁が2022年3月4日に資金決済法などの改正案を国会に提出し、デジタル通貨の一種「ステーブルコイン」の規制導入を目指す動きがあります。一方で、海外のデジタル通貨事情はどうなっているのでしょうか?

そこで今回は、日本に先行して進められている海外のデジタル通貨事情について紹介します。

デジタル通貨とは?

デジタル通貨に明確な定義はありませんが、「デジタルの形式で表される資産」(引用元:日本銀行抄訳 デジタル通貨 決済・市場インフラ委員会報告書)と捉えましょう。いわゆる電子マネーや仮想通貨もデジタル通貨に含まれます。ただし、あくまで資産なので、クレジットカードや銀行振込などはデジタル通貨に含まれません。

デジタル通貨の種類

大きく分けてデジタル通貨は3種類あります。

1.民間企業が発行するデジタル通貨

アメリカの「PayPal(ペイパル)」、中国の「Alipay(アリペイ)」など、民間企業が提供する電子マネーは代表的なデジタル通貨と言えます。

2.ステーブルコイン

「ステーブルコイン」とは、法定通貨に対する価値が安定しているとされる暗号資産のことを言います。Facebookの「Libra(リブラ)」、アメリカの「USDC」などがこれに該当します。

3.中央銀行デジタル通貨

中央銀行が自らの債務として発行するデジタル通貨です。代表的なものに、バハマの「サンドダラー」や中国の「デジタル人民元」などがあります。

海外のデジタル通貨事情

実際に海外ではデジタル通貨の普及や活用はどのように進んでいるのでしょうか。具体的に見ていきましょう。

アメリカの事例

アメリカの「PayPal」は世界に先駆けて1998年にサービスを開始した民間のデジタル通貨(電子マネーによる決済サービス)です。2022年現在、世界で3億人以上が利用しており、日本でも日本円で利用できます。

そして、「USDC(USD Coin)」はドル建てのステーブルコインです。いつでも1USDCを1USD(米ドル)に変換できるため、価値が安定しているとされています。暗号資産としてNFT(非代替性トークン)など新しい資産形成とも相性が良いため、今後も利用が伸びていくことが予想されます。

Libraはどうなった?


Facebook(現Meta)が発行を目指した「Libra」は「Diem(ディエム)」と名前を変えていましたが、結局2022年1月31日に発行の断念を発表しました。これは、自国通貨に取って代わられることを恐れた各国からの反発や、消費者保護・詐欺対策が不十分だと規制当局にみなされたことなどが原因と言われています。

中国の事例

中国で民間の電子マネー決済サービスとして広く普及している「Alipay」と「WeChat Pay(ウィチャットペイ)」は、中国国内のモバイル決済ではあわせて9割超のシェアを占めています。

一方で、中国人民銀行が発行する「デジタル人民元」も試験運用が進行中。022年2月の北京冬季五輪でもデジタル人民元が運用され、国の後押しもあって今後はシェアを拡大すると予想されています。

新興国でも広がるデジタル通貨


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デジタル通貨は金融包摂(ファイナンシャル・インクルージョン)の推進に利用できるため、とくに新興国で導入が進んでいます。「金融包摂」とは、銀行口座を持たない貧困層や銀行へのアクセスが困難な僻地などにかかわらず、平等に金融サービスが受けられるようにすることです。

ケニアでは、2007年から民間モバイル通貨として「M-Pesa」を開始。2019年度には顧客数が人口の約67%にまで広がっています。2020年10月20日にはバハマで、世界初の中央銀行デジタル通貨として「サンドダラー」が発行されました。700超の島からなるバハマでは、現金の代わりにサンドダラーを利用することで、地域差の生じない金融サービスを目指しています。

デジタル通貨の可能性は?

2022年3月9日には、アメリカの大統領令でデジタルドル発行の課題検証が支持されました。同様にして、新興国の先行事例を参考に法整備などが整えば、先進国でもますますデジタル通貨が普及すると考えられます。まだまだ世界中でデジタル通貨に対する取り組みは手探り状態のため、今後の動きにもぜひ注目していきましょう。

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